本217:鴨井玲 死を見つめる男(長谷川智恵子)
酔仙ひいきの「富柏村香港日剰」ブログを読んでいて、笠間日動美術館での鴨井玲展-Camoyの生きざまを参観・・・の記事を読み、ついアマゾンで探して、「鴨井玲 死を見つめる男」を取り寄せ、今日読了。
日本人離れしたカッコよさで女性にモテ、友人たちと明るく飲み歩き、絵も売れるようになる。でも画は暗鬱で、自殺未遂を繰り返して、57歳で自死。没後36年になるが、今も新しいファンが多いと。手元に置きたい画ではないが、眼が吸い込まれる感じもする。
もともと生物は単細胞の段階から、生の本能と死の本能を持っているものだが、それが一個の人間の中に極端に現れると、こういう人生になるのかな、とも思わされる。今回の鴨居玲展は終わっているが、美術館に「鴨居玲の部屋」が常設されているそうなので、コロナ禍明けの巡礼リストに入れておこう。
この本の著者、長谷川智恵子は日動画廊の二代目長谷川徳七の夫人で、鴨居玲のパトロン的存在。それにしても、あの笠間日動美術館の広壮な造りと収蔵品を見ると、画商というのはハイリスク、ハイリターンな商売なんだろうなあと思わずため息。
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