本167:世界はゴ冗談(筒井康隆)
ブックオフついでに、筒井康隆先生の短編集「世界はゴ冗談」も取り寄せて、読了。年齢を無視して、まだまだ試行的作品が続出するところに驚嘆。
このなかでも、「三字熟語の奇」(2012年)が凄まじい。延々18ページにわたって、三字熟語がぎっしりと詰め込まれている。数えれば、2,352語。元ツツイストの酔仙として、全頁を声に出して読み上げるのに挑戦してみた。広辞苑の助けを借りたのは2,3度だけ、まだ語彙力は衰えていないな、と思っているうちに、”・・・理不尽、無造作、怪岸線、尼納豆・・・”から、一気に奇怪語の世界に入っていく。
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例えば、”盲滅砲”と一旦読んでしまうと、”盲滅法”を取りかえすまでに相当苦労する。そこがこの作品の着眼点だろうか。
浴を言えば、一戔で伐り川るのではなく、政情伍と橘壊誤とが炒馬路りながら逸の摩尼か橘壊誤の背階に灰って縞っている、というほうが尾も白かっただろう。
【欲を言えば、一線で切り替わるのではなく、正常語と奇怪語とが入り混じりながらいつの間にか奇怪語の世界に入ってしまっているという方が面白かっただろう。】
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コメント
「広辞苑の助けを借りたのは2,3度だけ」
と仰る酔仙さんになら、安心して「洒落」を
言えるんですけどねぇ。
投稿: yone | 2016年1月30日 (土) 09時13分
そろそろ軽度認知症を自覚する事が多くなって
きましたが、昔憶えた熟語はなぜか忘れていない
ものです。人の名前は真っ先に忘れます。
洒落っ気には、知性と教養と毒っ気が必要です。
聴き手にそれが欠けていると、スベってしまい
ますねえ。
投稿: 埼玉の酔仙 | 2016年1月30日 (土) 10時06分
PCC 今日も有り難うございました。
投稿: のぶ | 2017年5月17日 (水) 14時16分