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2006年9月28日 (木)

本004:夜のピクニック

恩田陸の「夜のピクニック」を読む。恩田陸の作品は既に何冊か読んでおり、この本も前から読みたかったのだが、映画化のおかげで文庫本が書店に平積みになったのでやっと買えた。筋立てとしては、80kmをひたすら歩きつづける、「北高鍛錬歩行祭」の24時間を舞台に、反発していた異母兄妹が歩み寄るという、青春物である。SFどころか、何の事件も起こらないし、嘘っぽい話しもないが、錯綜する会話と心理のゆらめきが実にリアルに描き出されて、さすがに作者随一の作品と思わせた。一度お読みになって、過ぎし青春の日々に思いをめぐらせるというのもお勧めです。

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一昼夜で80kmを歩きつづけるなんて、と思うかもしれないが、酔仙は学生時代に、京都から奈良まで一晩に40kmを歩きとおすという行事を、三度経験した。人の足は1時間に4km(1里)が標準だから、そう無理なことではない。ただし、そのあと数日は、立つにも寝るにも全身ガタガタである。歩きつづけている時の心理状態の変化というのは、まさにここに描かれているように、日常の縛りから段々と解き放たれていくものである。この本で興味を持たれたら、四国八十八ヶ所お遍路とか、サンチャゴ・デ・コンポステラへの巡礼路とかに臨んでみてはいかがだろうか。

さて、この次は「飛ぶ教室」を読んでみよう。読書の秋には「ゲド戦記」全巻にも挑戦してみたいものだが。

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コメント

夜のピクニック楽しい本ですよね
私も富士登山競争を思い出して懐かしくおもいだしています、

投稿: T,tomoko | 2006年10月 1日 (日) 08時29分

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